「良い品を安く」と「安く良い品を」
「良い品を安く買いたい」
をいうのは、ある意味でムシのよい期待であり、困難な願望であると考えている面もある。
同じ「良い品」と「安く」という訴求であっても、「良い品を安く」という表現と、「安く良い品を」という訴求表現とでは、その内容の要素は全く同じでありながら、その魅力や効果には大きな違いがある。
バーゲンの不振の例は、微妙な消費者の心理を十分に考えなかったことにあると思う。「良い品」「魅力のある品」「商品の魅力」を訴えることが先決である。
「自分の欲しい品、魅力のある品、良い品がバーゲンで安く買える」ということで、そのバーゲンに魅力を感じ、買いに行く。
「良い品を安くのA店」へ行くという人と、
「安く良い品のB店」へ行くという人の比率は「8対2」の割合で、
「良い品を安く」の方が効果大。
「良い品を安く」と「安く良い品を」とは訴えている内容は全く同じで、ただ内容の訴求の順序が違っているだけなのに、これだけの効果の差が出ている。
「あいつ、仕事はよくできるけど人間的にはもう一つだ」
という場合と、
「あいつは、人間的にはもう一つだが、仕事はよくできる」
という場合とがある。
後者だったら「一度は使ってみるか」ということが多い。
「高いけど良い」「高いけれどうまい」では
「もう一度行こうか」、「また買おうか」とういうことになる。
「高いけど良い」の方が「買ってみたい」という意欲の方に多く傾いており、「良いけど高い」訴求に対する購買拒否率が大きい。
「良い」と「安く」の場合はでは最初の訴求が重要で、「うまい(良い)」と「高い」の場合は後の要素が大きく影響する。
一つは新規の顧客と返り注文(再注文)、再利用との違いということがある。
「良い品を安く」というのは、未購入者未利用者に対する期待の訴求である。
経験の表現の場合は、後の方の表現がものをいうわけであり、新規の未利用者に対しては、まず最初の部分の訴求が大切であるということである。
「けど」が入る場合は、「けど」の後の方がホンネということになる。値引がかえって商品の品質面などについての不安・不信感をもたらすということもある。
「よい買物をした、上手な買物をした。合理的な購買をした」「家計のヤリクリが楽になった、この分を他の欲しい買物のほうにまわせる」とうプラスの点も考えられる。
「こんなに安く値引きするというのは、商品のどこかに欠点や、古くなっているのではないか」とう不安もある。
値引率が5割を超える場合、4割を超える値引率の場合、値引率が3割までは「安い価格」といして歓迎されるが、「なぜそれだけ高率の値引販売ができるのか」という点について消費者を納得させる根拠や説明が必要である。
単価の高い商品について
・やや安いと感じる値引率・・・ほぼ1割引
・安いと感じる値引率・・・ほぼ2割引
・かなり安いと感じる値引率・・・ほぼ3割
・非常に安いと感じる値引率・・・ほぼ4割引
単価の高い商品は値引率よりも金額そのものの訴求のほうが強い。“非常に安い”と消費者が感じる値引率を上まわる値引率になると不安感を伴った“安すぎる”とう感じになる。
「値引」、「割引」を消費者に訴える場合、あるいはまた、他のブランド品の価格や他店の価格よりも安いということを訴える場合、ずばり金額で「○○円安い」、「○○円値引」と訴えるのと「何割引」とか「他店よりも何割安い」と訴えるのと、どちらが効果が大きいか、とういう問題は、理論的にもまた現実の販売政策を進める上でも興味深く意味のある問題である。
「単価の安い商品では割引の率を訴えることが、また値段の高い商品では値引きされる金額を訴えることが効果的であろう」(To be continued) 価格の心理vol.01へ価格の心理vol.02へ価格の心理vol.03へ価格の心理vol.04へ価格の心理vol.05へ